上記の通りグレてみる。
どうせ明日からも忙しいんですものー!
でも一生懸命部活出て、遅くに帰って、晩御飯食べる時間がないではないかと母上に怒られるんですものおおおおうい!!
あともう少しで、大会が終わったら、少しばかり部活と疎遠になると思います。
週一二くらいしか出られないなって。
それで先生に文句たれられても耐えますぜ!
言えないけれど、今言うけれど、
「わたしあたまわるいのに○山高校に行きたいんです どうすればいいんですか!!」
ってね、思うよ。ちょっとわがままになってみるのよわたし。
直訳 しあわせに満ちる日
廊下を歩いたら月が見えた。風流なものだと思った。部屋に着くと、中で机に突っ伏したままぐっすり寝ている彼がいた。布団だって敷いてあるのになんでここで寝るのかなと思って手元を見ると、やりかけの仕事があった。
「もう少し暇を作ったらいいのに、自分で自分を勝手に追い込むんだからなあ」
呆れて、掛け布団をかけてあげる。彼の下から紙を引っ張り出すと(起こさないように細心の注意を払った)、こっそり片付けておいた。
冷めるかな、と思ったけれど、お茶を机の上に置いてそっと部屋を出る。廊下に出たら月が綺麗だった。
それからなんとなく彼が道場にこもっている間にお茶を用意しておく事が常になった。誰に言われた訳でも気付かれた訳でもなく、ただ冷たい氷をいっぱい入れて、彼が終わる頃を見計らって。彼は一度だけあたしに「これ、誰が置いたか知らねえか?」と聞かれたけれど、原田さんじゃありません? と適当にかわしておいた。バラすのはなんとなくつまらなかった。
ある日、水を持って行ったら彼に感づかれた。慌てて台所に走って戻った。けれども道中ばったりと原田さんに出くわしてしまった。
「おや、どうしたんですか」
「あ、いえ、なにも。では!」
どもりながら彼の脇を駆け抜ける。「言ってあげればいいのにな」はは、と原田さんが笑っている声が聞こえて、原田さんにはばれていたんだと気が付いた。
台所で夕飯の支度をしていると彼が現れた。彼はまだ水の入ったコップを流しに置くと、
「今日は鰻か」と目を細めた。
「そうですよ。好きだったでしょう?」
ああ、と頷いて、彼は流しに手を置いて、
「水、ありがとな」
と言って帰っていった。あたしはびっくりして、固まったまま時間が過ぎる。
嬉しかった。彼は滅多に人に礼を言わない人だったから。顔が綻ぶのを堪えて、鰻を力任せにさばいた。
「おい、」
あたしは立ち止まった。後ろには彼がいた。彼が黙って手招きをしたので、とりあえずついていく。彼の頬が赤らんでいるような気がして、それが勘違いじゃなかったらいいのにな、と思った。
そう願った。
HULL HAPPY DAY
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