バトンやっていないことに気がついた・・・サボってちゃいけないなもう!
がんばってやりますね~
とりあえず燃え剣物語
愚かな。
それを言っても誰もおれの味方をしないだろう。
目の前に座るこいつは、役者のように白く整った顔で微笑んで、よく響く声で話す。
「ですからね」
確かにこいつの言うことはいつでも筋が通っている。顔が整っている。おれほど恐ろしくない。むしろ優しくもある。おれよりこいつを周りが好くのは当然と言ったところか。
けれどもおれはこいつに負けてしまっては困る。こいつよりずっと厳しく。こいつの判断など受け付けず。そうしなければおれの、この、美しい秩序は乱れてしまうのだから。
こいつの目に宿った憎しみに親愛を込める。こんな奴だって、こんな表情をするものだと。
「愚かだ、あなたは」
「お前に言われたかねえよ」
ふふ、とこいつは笑った。女みたいだ。白いし。けれども強い。頭が回る。惜しい逸材ではあったが、おれの邪魔になるものはいらない。おれの秩序から消さなければならない。
「あなたは本当に愚かだ。隊を強くする事しか考えていない。もっと、政治を論じてみたらどうです。もっとも、あなたの論は時代遅れのようですが」
「政治論なんざ持ってねえよ。おれの世界はここだけだからな」
乾いた笑いが座敷に響いた。
近いうちに、おれとこいつの決着はつくであろう。
愚者はどちらか(歳三と甲子太郎/燃えよ剣)
PR