ダークネスシリーズ。
これ結構いっぱいある事に今気がついた
どーしよ・・・・・・
誕生秘話(読み終わってから見てね!)保健の授業の臓器移植の話を聞いて
→結論・さいあくだ。
すいませんでしたー!
ぱつん、と、場違いな気の抜ける音がして、オレンジのランプが灯った。
映し出されたのは、人間。光があるくせ、虚ろな目をする。
とりあえず、片手に銀のナイフを握った。無論、消毒はしていない。これで誰が死のうが、全く関係ない事だと思う。あの、懐と体だけ肥やした金持ちがどうなったって。
目はぼうっと上を見つめている。自然、目が合う。笑って、人間の体の線にナイフを滑らせる。苦しいだろう。ここには何も無いから、苦しめる事しか出来ない。
赤い血がそうっと伝う。
うん、慣れない、この行為。いつやっても、何度やっても、どこか背徳的な雰囲気がする。
でも、なぜかいつも笑ってしまう。にこにこ笑って、そっと血を拭う。
「君は、これから自分がどうなるか知っている?」
返事は無い。当たり前だ。
「君はお金になるんだ。これはね、神に背く神聖な儀だよ」
全く、呆れた話だと思う。神に背くのに、神をあざ笑うのに、どこか、厳かな気を纏うんだ、この行為には。だからこそ、笑いが止まらないのかもしれない。
「君は、破壊されたんだ。違うかい? じゃなければ、今ここにいないだろう」
灰色のマントを被った人間がここを訪れたのは今朝のこと。新しいのが入りました、そう言い残して、さっさと灰色マントは姿を消した。残されたのは、虚ろな目の、人間。
ああ、そろそろオレンジの光を瞳が跳ね返してきた。危ない。慌てて冷却する。質を良くしておかないと、金にならない。向こうは細菌なんて分からないから、このナイフは消毒しなくても良いけど。
「さて、そろそろだ」
見れば、この部屋は真っ赤だった。久し振りだ、こんなに汚れたの。
「あーあ。君のせいで汚くなったよ」
振り返っても、返事は無い。当たり前、だけど。
「君が話せたらいいのにね」
君がもし話せたら、こんな孤独に包まれた部屋に暮らさなくても良いんだよ。ああ、これが神に背いた罰か!
「でも、構わない。君が話せても、いずれにしても」
ぶらん、とランプが大きく揺れる。
「君の心臓、頂くよ」
小さく、人間が頷いた気がした。
最後に笑って、人間の生命活動を止めた。
さあ、この人間は脳も死んで、心臓も死んでしまった。あとはこの眼球と、その他の内臓。
間に合うかな、でもきっと大丈夫だ。この腕は、失敗した事なんて無いから。
そして沈む、背徳的な神秘の儀
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