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小夜千鳥

イラスト・小説・その他諸々全て気まぐれに更新。 ゆるーく見守っていただければ嬉しいです。

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雨の降る日に、濃緑の傘の下で

いい加減止まないかなぁ、雨。
少し散歩に行ったら、急に雨が降ってきて、慌てて木の下に駆け込んだものの、この水の滴はいつまでも降り注いでいる。
大変、もう約束の時間かな。
あの人はとっても気が短いから、それでも責任感が強いから、あいつはどこだと怒りながらも1人でたくさんの紙の束と奮闘しているのだろう。
はあ、と溜息が零れた。
(あ、幸せさん、逃げないで!)
もういいかな、ずぶ濡れで帰るのもありかも。そう思って大雨の中足を踏み出したら、さっきまで下にいた木の葉が広がっていた。
いや、違う。これは・・・
「・・・遅ェぞ」
雨の日の木の葉色の傘の下で、困った様に、呆れた様に、あなたが言った。
「ごめんなさい」
笑って、傘に入る。
前言撤回。
あともう少しだけ、止まないで欲しいな、雨。

約束の時間になっても、奴は一向に来ない。少し散歩に言ってくる、といったのが最後、それがもう2時間も前の事だった。
屋敷内の誰もあいつの姿を見ていないという事は、おそらくあいつは散歩に出かけたまま外にいるのだろう。
幸い行き先は分かっている。丁度煙草も切らしたし、買い物がてら探しに行こうと外に出た瞬間、顔に大量の雨が降り注いだ。
成る程、と納得して、袖で顔を拭い、傘を掴む。
渋い、濃い緑色の大きな傘。
公園に向かえば、そこに人影。
それがあいつだと気付くまでにはそう時間はかからなかった。
あいつはぼうっと天を睨み、雨を凌ぐ大樹の下から出ようとする。
傘を差してやると、こいつは驚いたような顔をした。
「・・・遅ェぞ」
ぼそっと呟けば、こいつはふわりと笑った。
「ごめんなさい」
笑いながら、傘に入ってくる。
ああ、最悪な雨の日も。
こういう時は、悪かねえな。

の降る日に、濃緑の下で
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年齢:
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性別:
女性
誕生日:
1992/08/08
職業:
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読書
自己紹介:
鳥が大好き甘い物大好き。
現在乙一氏、道尾氏、桜庭氏を信仰中。
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