忍者ブログ

小夜千鳥

イラスト・小説・その他諸々全て気まぐれに更新。 ゆるーく見守っていただければ嬉しいです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あなたとパンになったわたし

はい、これです。MEAT BALLさん寄贈小説タイトル。
タイトルと本編の一人称が違いますけど、気にしたら崖から落とします落ちますよ!

「起きたのか?」と声がして、あたしの頬を何かが撫ぜた。
ぼーっと脹れた頭で目を開ければ、そこにはあなたの姿。意地悪い、でも優しい笑みを浮かべて、その大きな手であたしの髪を梳いた。
「・・・・・・おはよーございます」
「お早くねえ。今もう10時。分かってんのか?」
口ではとげとげした事を言いながらも、あなたは優しく笑うから、怖くない。
「昨日は遅かったですからねえ」
「あー、まあ、それについては悪い。働かせすぎたな」
あなたはばつが悪そうに頭をかいた。あたしはにこっと笑って、あなたの頭を撫でる。短くてぼさぼさした髪の感触が気持ち良かった。まだ頭は冴えきらないけど、あなたの顔は分かる。
「だいじょーぶです」
ちゃんと笑おうと思ったのに、にへらと変な顔になってしまった。あなたは眉を八の字にして溜息を吐いた。そうしてまだ横になったままのあたしの頭を撫でる。よくみんなに頭を撫でられるあたしは、そうされると眠くなる癖があって、今回も例に漏れず瞼が重くなりだした。あたしの頭の中はぼうっと膨らんで、それはまるで朝食べ損ねた。
「眠いです・・・」
どうにか言葉を絞り出すと、あなたはまたにっと笑ってあたしの横に寝転んだ。あたしの包まる布団の中に潜り込んで、あたしを抱き締める。もちろん、あたしの頭は撫でたまま。
「今日は特に何も無いからな、特別だぞ」
あなたの声にあたしはほんの少し微笑みながら、また深い眠りの淵へ落ちていった。
沈む直前のあたしの頭は、ぼうっと膨らむ。あなたの声が、感触が、暖かくあたしを包み込んで、あたしは眠りにつく。
ねえ、それって、まるで。
 
今朝食べ損ねてしまった、パンのようではありませんか。
 
あなたパンになったわたし
(お昼の時計が声高く歌いだしても、あたしたちは目を覚ましませんでした)
PR

Comment

パーーーーン!!!

  • MEAT BALL
  • 2007-04-15 12:57
  • edit
でましたっ!私の聞き間違い!
ってかそんな題名で
よく思いつきましたねェ
スバラシー!!!ッス!

この小説の登場人物は私の頭の中で
「あたし」=うぐいすさん
「あなた」=サsk・・・

何でもねッス・・・

Re:パーーーーン!!!

  • うぐいす 〔管理人〕
  • 2007-04-15 13:12
トンガリはこんな言葉づかいしないと思われます!
いや・・・モデル居るんですね・・・いるけど彼じゃないですよ。
お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする

カレンダー

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カウンター

プロフィール

HN:
うぐいす
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/08/08
職業:
どうにか大学生
趣味:
読書
自己紹介:
鳥が大好き甘い物大好き。
現在乙一氏、道尾氏、桜庭氏を信仰中。
大正時代を愛しています


主張

兄ィ!! 猫柳きゅーん!!

最新CM

[05/16 Backlinks]
[02/28 ぽっぽとぺっぺの飼い主です]
[04/19 由]
[04/19 MEAT]
[04/15 由]

最新記事

ブログ内検索

本棚

ご意見箱

意見・質問・苦情。 何でも受け付けております。
Powered by SHINOBI.JP





















Copyright © 小夜千鳥 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]